地蔵ってどんな人?
動かない、でも誰より真剣。腕を組んで全曲を目に焼き付ける。
石像のように動かないファンを、現場では親しみを込めて「地蔵」と呼びます。揺れないあなたの視線は、フロアでいちばん真剣なものです。
地蔵の現場
入場したら、柱の脇や壁際、段差の後ろなど、寄りかかって見通せる場所に定位置を決めます。あとは腕を組んで微動だにしません。対バンの転換のあいだも立ち位置はそのまま。次の組の機材セッティングすら観察の対象です。跳ばず、コールも控えめですが、視線は曲のはじめから終わりまでステージにあります。構成、歌割り、振りの揃い具合、MC の間の取り方まで見ているので、あとで聞くと感想がいちばん具体的な人です。終演後はうなずきひとつで満足し、特典会には行かず、ドリンクを引き換えて帰る。それで完璧に完結しています。帰り道は今日のセトリを頭のなかで並べ直し、あの曲のあの間を反芻します。
気をつけたいこと
動かないこと自体はまったく問題ありません。気をつけたいのは定位置の選び方で、通路や出入口の正面、階段の上り口など人の流れと重なる場所は避けておくと、あなたも周りも快適です。撮影はグループが「撮影 OK」と明言したときだけ。「静止画ならいいだろう」の判断はせず、その日の案内に従いましょう。静かに見ている人の隣に別の地蔵が来たときの沈黙は居心地がいいので、無理に話しかけなくて大丈夫です。
もっと楽しむなら
音と演出が厚いワンマンや、視界の開けた大きめの箱は「じっくり見る」に向いています。対バンは全組を見なくてよいので、目当ての 1 組だけに集中するのも地蔵流です。人の少ない平日の現場こそ、じっくり見るには恰好の日です。当日ふらっと入る場合の料金のしくみはADV・DOOR の記事にまとめています。動かないあなたの感想を聞いて、あとで同じ現場にいた人は「ちゃんと見てる人がいた」と安心します。