スケジュールに並ぶ公演タイトルは、慣れないうちはただの固有名詞の羅列に見えます。でも型がわかると、「これは 3 時間かかる」「これは 1 組しか出ない」が読めるようになります。このサイトに載っている公演をざっと分類すると、大きく四つの型があります。
対バン(複数グループが出演するイベント)
いちばん多い型です。主催者(イベンターや会場、あるいはグループ自身)がテーマを決めて複数のグループを呼び、1 組あたり 20〜30 分ずつ順番に出演します。出演数は 3〜4 組から、多いと 30 組を超えます。このサイトの掲載公演でも、出演者名が 30 以上並ぶ公演がありました。
対バンの良さは、目当てのグループ以外も見られることです。初めて現場に行くなら、対バンの中に知っているグループが 1 組いる公演を選ぶと、目的を持って行けて、しかも他のグループを「ついでに」見られます。ここで気に入って別のグループを追いはじめる人が多いです。
対バンの注意点は、目当てのグループの出演時間(タイムテーブル)が当日まで公開されないことが多いことです。公演の開演時間はスケジュールに載っていますが、「うちのグループは 18:40 から」のような情報は、主催者かグループの X で当日の朝や前日に流れます。開演時間に間に合っても、目当てが出るのは 2 時間後ということは普通にあります。
ワンマン(1 組だけの公演)
グループが単独で 1 時間半〜2 時間ほど演る公演です。タイトルに「ワンマン」「単独」と入っているか、出演者欄にそのグループしか書いていなければワンマンです。料金は公演や券種によって異なり、ワンマンという形式だけでは対バンより高いとは限りません。
ワンマンは、そのグループのファンが会場のほとんどを占めます。曲を知らないと少しさびしい思いをしますが、そのグループの「本気の演出」を見られるのはワンマンだけです。ある程度曲を知ってから行くと、対バンとは別の体験になります。
定期公演とは
定期公演とは、グループが自分で主催し、同じ会場で毎月・隔月・隔週など決まった間隔で繰り返し開催するライブハウス公演のことです。「定期」「レギュラー公演」「月イチ定期」と呼び方はいくつかありますが、指しているものは同じです。タイトルには「定期公演 #27」「定期公演 vol.3」のように回数が入るのが目印で、回数が大きいほど長く続いているグループだとわかります。
対バンとの違いは、主役がそのグループに固定されていることです。ワンマンとの違いは、規模と料金です。定期公演はワンマンより小さい会場・安い料金で、月に 1 回のペースで「いつもの姿」を見せる場という位置づけです。このサイトに載っている 30 日分の公演を数えると、タイトルに「定期」を含む公演は 551 本中 25 本で、そのうち 20 本はそのグループ 1 組だけ、残りはゲストを 1〜3 組呼ぶ形でした(2026 年 9 月 16 日時点)。
いつ・どこで・いくらか
- 曜日と時間: 平日の夜が中心です。先の 25 本のうち 17 本が平日で、開演は 19〜20 時。土日に組まれる回は昼の 11〜13 時開演が多く、夜は生誕祭や対バンが多くなっています
- 会場: 東京では Spotify O-Crest、Akiba Stella Cube、恵比寿CreAto、AKIBAカルチャーズ劇場、新宿MARZ など、100〜300 人規模の会場で行われることが多いです。会場を固定するので、ファンからすると「毎月あそこに行けば会える」になります
- 料金: 以前の中央値と公演全体との価格比較は、券種の混在があったため取り下げました。一般前売の集計は料金相場の記事をご覧ください。一般券が無料でも、優先券は有料だったり、ドリンク代が別途かかったりするため、券種ごとの条件を確認します。
初めての人に向いているか
向いています。定期公演は新規が入りやすい枠で、対バンのように目当ての出番を 2 時間待つことがなく、開演からそのグループが出ます。料金が安いので、曲を知らない段階で「一度見てみる」のに向いています。
ワンマンほどの「本気の演出」はありませんが、その代わり月に 1 回のペースで同じ会場に行けるので、曲を覚えてからワンマンに行く、という順番を組みやすいのが定期公演の強みです。
劇場公演との違い
AKB48 グループのように専用劇場で週に何度も公演するものは「劇場公演」と呼ばれ、定期公演とは別のものとして扱われます。定期公演はライブハウスを月に 1 回借りる形で、劇場を持っているわけではありません。
定期公演の探し方
このサイトでは、公演一覧で「定期公演」を検索すると 30 日先までの定期公演だけを並べられます。気になるグループが決まっているなら、グループページのスタンプに「単独・定期」の本数を出しているので、定期公演をやっているグループかどうかがわかります。用語としての説明は現場用語集の「定期公演」にもまとめています。
生誕祭・周年公演
メンバーの誕生日を祝う「生誕祭」と、グループの結成周年を祝う「周年公演」です。タイトルに「〇〇生誕」「〇周年」と入ります。このサイトの掲載分だと、タイトルに「生誕」を含む公演がいちばん多い特別公演でした。
生誕祭は本人が主役なので、ソロ曲や本人の希望した企画が入ります。ファンの側にもお祝いの空気があり、初めての人にはやや内輪に見えるかもしれません。ただ、グループの側は「初めての人にも来てほしい」と思っているので、遠慮する必要はありません。
2 部制・昼夜
同じ日に「1 部・2 部」「昼公演・夜公演」と分かれている公演は、それぞれ別チケットです。土日にこの形が多く、このサイトの集計でも週末は 11〜12 時開演と 17〜18 時開演に山が分かれています。両方行く人もいますが、初めてならどちらか一方で十分です。
初めてなら、どれから行くか
私のおすすめは「知っているグループが 1 組出る、出演 5〜8 組くらいの対バン」です。理由は三つあります。チケットが安いこと、目当て以外も見られること、そして「合わなければ途中で帰っていい」空気があることです(対バンは出入りが多いので、途中退場が目立ちません)。
慣れてきたら定期公演でそのグループの「いつもの姿」を見て、曲を覚えたらワンマンへ。これが遠回りに見えていちばん楽しめる順番だと思っています。